せっかく革製品を購入するなら経年変化していくような革を選ぶ人は多いのではないでしょうか。そんな時に候補に挙がるのが、ヌメ革を使用した革製品ではないでしょうか。
写真のように、ヌメ革を使用した革製品は使い込む毎に非常に味わい深い経年変化をしていきます。ヌメ革が使われている革製品を購入した際は、使い始める前にちょっとした手入れを行う事で綺麗なエイジングが期待できます。
先日、牛ヌメ革を使用したパスケース購入しました。私が実際に使用前に行った手入れについて紹介していこうと思います。
今回手入れするヌメ革製品はこちら
高品質な牛ヌメ革に定評のあるタンナー「栃木レザー」の革を使用したパスケースを購入してきました。今回はこのヌメ革のパスケースの使い始める前に行った処理などを紹介していきます。
栃木レザーとは?
栃木レザーとは、1937年創業の栃木県の栃木市に会社を構える革製造メーカー(タンナー)です。
タンナーとは、動物の皮から財布や革製品用の革にする為の作業を行う所です。その工程の中で革を柔らかくする作業を鞣し(なめし)といいます。この鞣しという作業では、通常化学製品で鞣すクロム鞣しが一般的ですが、栃木レザーでは自然素材のみを使用する植物タンニン鞣し(なめし)を行っており、職人による手作業と手間暇をかけて鞣し作業を行っています。
この植物タンニン鞣しを行った革を「ヌメ革」と呼びます。栃木レザーはこのヌメ革のクオリティの高さに定評があります。
ヌメ革とは?
ヌメ革とは薬品などを使わずベジタブルタンニン(植物性タンニン)鞣しを行った皮革のことを指します。一方、薬品を使った鞣しはクロム鞣しと言い、現在流通している革のほとんどはこちらに当たります。
ミモザなどの樹皮などから抽出される植物の渋み成分(植物タンニン)で鞣した革なので、表面加工などをほとんど施していない事や傷や血筋などがそのまま残されておりナチュラルな風合いがヌメ革の特長です。
ナチュラル仕上げの革なので、使い込んでいくうちに付いた傷や手の油などによって味わいが増していき経年変化やエイジングが楽しめる事が魅力です。
使用前の手入れについて
ヌメ革の製品を使用する前に行った簡単な手入れについて説明していきます。
①日光浴を行う
ヌメ革製品を購入した際は、まず日光浴を行います。
日光浴と聞いてびっくりするかもしれませんが、ヌメ革は日の光を浴びることによって革自体に含まれている油分が表面に浮き出てきて薄い膜となり革をコーティングしてくれるだけでなく、革全体を均一に紫外線に当てる事で、革が経年変化する過程でムラにならず綺麗なエイジングが期待できると言われています。
私が行った方法は、日の光を浴びさせる為に私は外回りの営業をしているので、移動中の車内のダッシュボードの上で日光浴をしました。表面と裏面を均一に紫外線に当てる為に数時間毎にパスケースをひっくり返していました。
約1週間日光浴を行った後の写真です。全体的に色が濃くなった印象を受けます。
私が日光浴を行った5月の紫外線は比較的強いので、あまり過度な紫外線は革へのダメージの方が心配だったので日光浴の期間は約1週間程度行いました。冬場などは2~3週間や1ヶ月くらい日光浴を行ってもいいかもしれません。
②クリームで革を保革
日光浴によって紫外線を浴びた事によって革の内側の油分が抜けてしまっているので、デリケートクリームなどで革に栄養を与えてあげます。
Collonil(コロニル) 「1909 シュプリームクリーム」
Renapur(ラナパー) 「レザートリートメント」
などがおすすめです。クリームの使用方法や効果などについては下記の記事で詳しく紹介しているので、気になる方はご覧ください。
ちなみに私はラナパーのレザークリームで革に栄養を与えてあげました。クリームを表面に薄く塗り傷の保護と表面に蝋のコーティングをおこなっていきます。
購入後に日光浴を行い、レザークリームを塗り終わったので、これで使い込む前処理は完了です。あとはガンガン使い込んで、経年変化を楽しんでいきたいと思います。
まとめ
- 日光浴を行い革の内部の油分で表面をコーティング
- 乾燥した革にクリームを塗布し養分を補給
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